
ロリアオーナーの行動はファンを納得させるものではない。ゴンザレス前監督をコーチとして使っていたブレーブスのコックス監督は、今回の解任劇に怒りをあらわにしている。 - Credit: Flickr user ohad* (licensed under Creative Commons))
6月23日、マーリンズはフレディ・ゴンザレス監督、カルロス・トスカ・ベンチコーチ、そしてジム・プレスリー打撃コーチの解任を発表した。当面3A級ニュー・オリンズで指揮をとっているエドウィン・ロドリゲスを監督代行として起用する予定で、チームはその間に後任監督の人選を進めるものとしている。またベンチコーチにブランドン・ハイドを、打撃コーチにはジョン・マリーをそれぞれ就任させることを決めている。
マーリンズは現在34勝36敗で地区首位のブレーブスと7.5ゲーム差の4位となっているが、球団運営責任者のラリー・ベインフェストは「今のチームは動きが無いまま勝率5割付近に張りついている。そして地区優勝を競う相手は加速している。我々はチームに変革をもたらし、加速させるリーダーシップを求めている。今日我々が行った作業の大部分はそれにあたるものだ」と語り、オーナーのジェフリー・ロリアも声明の中で「我々は、ファンに対してチームを勝利できる環境に置く責任を負っている。私がチームの勝利をどう感じているかは誰もが知っている。この変革に至った理由がそれだ」と述べている。
ゴンザレス監督は解任に関する電話取材の対応や声明の発表に時間をかけている状況だが、ベインフェストは「プロフェッショナルとして、取り乱すこともなく聞き入っていた」と解任の知らせを受けた彼の様子を伝えている。
ゴンザレスは現在ヤンキースで指揮をとっているジョー・ジラルディの後任として2007年にマーリンズの監督へ就任している。初年度こそ71勝91敗と負け越したが以降2シーズンは勝率5割を越えており、昨年は地区2位でフィニッシュしている。
しかしロリアはポストシーズン行きを逃したことに怒り、ゴンザレス解任が囁かれる事態となったが、結局具体的な動きは起きないまま今季開幕を迎えている。以降ロリアは解任を否定するコメントを折りに触れて出していたが、ホームで迎えた6月15日からの対レンジャース3連戦に3連敗した段階で状況が大きく変わった模様で、ベインフェストは「何かが失われていた。チームに変革をもたらせることを考え始めたのはあの時だった」と振り返っている。結局、マーリンズは2009年開幕前に3年間の契約延長を行っていたゴンザレスに、終了まで1年半を残した状態で解雇を告げている。
マーリンズにとってシーズン中の監督交代は2003年にジェフ・トーボーグからジャック・マッケオンへとスイッチして以来で、通算では3回目のこととなっている。前回のマッケオンは就任後75勝49敗と大きく勝ち越してチームにワイルドカ-ドをもたらせただけでなく、ワールドチャンピオンにまで導いている。しかし球団社長のデビッド・サムソンは「監督交代はあの時を再現する為のものではない。チームも時代もあの時とは違う。今我々が置かれている場所は、魔法の杖を振って魔法使いジャックを呼び寄せ、あの熱狂に満ちた(2003年ワールドシリーズの)ヤンキースタジアムのロッカーへ場面をぱっと切り替える状況ではない」とこの監督交代にはそうした狙いがないことを強調している。
後任の監督候補について、サムソンは「ボビー・バレンタインが候補だ。彼は私からその話を受けている。ボビーにはフレディが解雇されたことを告げ、監督人事のスタートとして近い将来面談することへ興味があると伝えた」と話している。バレンタインにはオリオールズも触手を伸ばし面談も行われているが、約2週間が過ぎた現在になっても彼が監督に就任したとニュースは流れていない。サムソンは合わせて、監督代行のロドリゲスも候補の一人であることを明かしている。
3年半もの間指揮を受けていたナインからは落胆の声が挙がっている。ギャビー・サンチェスは「オレたちが監督をがっかりさせたって気分だ」と話し、クリス・コグランは「フレディの下で働くことを楽しんでた。彼はいい人だし、いい監督でもあるから。彼はオレを信じてくれ、誠実に向き合ってくれた。背中を押してくれる存在だった」と続けている。
マーリンズはスタープレイヤーのハンリー・ラミレスがチームから浮く存在になっているという頭の痛い問題を抱えており、それが今季遂に表面化する事態となっている。怠慢プレイを見せた彼に対し、ゴンザレスは反省を求める意味から試合途中に交代を命じたところ、ラミレスはこれに反発し「わかっちゃいないのさ。ヤツはメジャーで1度もプレーしたことがないからな」などと批判するコメントを出す騒ぎとなったものだが、これにゴンザレスは冷静に対応し、ラミレスに謝罪させただけでなくチーム内の反ラミレスの声も抑える見事な手綱さばきを見せていた。
ゴンザレスの今後については、今季を最後に勇退が決まっているボビー・コックス監督の後を受けてブレーブスの指揮をとるのでは?という噂が早くも流れている。
なお、今季メジャーではロイヤルズのトレイ・ヒルマン、オリオールズのデーブ・トレンブリーに続く3人目の監督解任となっている。


